2代目アクアの不具合と修理情報|MXPK系の保証・確認ポイント

警告、点検、修理判断の流れを示す抽象的な概念図

2代目アクア(MXPK系)は2021年7月19日に発売されました。いちばん古い個体でも、2026年9月時点で5年2か月です。

つまり、この車はまだ「持病」を語れる年齢に達していません。ネット上で「アクアの故障」として出てくる情報のほとんどは、2011年から10年間売られた初代(NHP10)のものです。年式が10年以上違う、別の車の話です。

では2代目のオーナーが今知っておくべきことは何か。2つあります。

  1. 保証が、ちょうど切れ始めるタイミングに入りました
  2. 無償修理が4件出ていて、そのうち2件は同じ部位のリコールです

この2つを、順番にご説明します。

※この記事は2026年9月21日時点の内容です。


目次

1. 2026年は、2代目アクアの保証が切れ始める年です

特別保証5年・10万kmと2026年からの期限到来を示すカレンダーと目盛りの概念図
保証期間の確認を示すAI生成の概念図です。実際の保証書やメーカー資料ではありません。

1-1. 保証は2種類あります

新車で買ったときについてくる保証は、大きく2つに分かれています。

期間 対象
一般保証 3年 または 6万km エアコン、電装品、純正ナビなど、下の特別保証と消耗品を除くほぼ全部品
特別保証 5年 または 10万km エンジン、動力伝達、ステアリング、ブレーキ、排出ガス浄化、電子制御、安全装置、ハイブリッド機構

どちらも「期間」と「走行距離」のうち、先に到達したほうで終了します。

走る距離が多い方は、年数より先に距離で切れます。「まだ4年目だから大丈夫」とは限りません。

1-2. 自分の車がいつ切れるか

車検証の初度登録年月で確認してください。

初度登録 一般保証(3年) 特別保証(5年)
2021年7〜12月 終了済み 2026年7〜12月に終了
2022年 終了済み 2027年中に終了
2023年 終了済み(または間もなく) 2028年中に終了
2024年 2027年中に終了 2029年中に終了

※走行距離が先に到達している場合は、上の表より早く終了します。

いちばん古い世代は、ちょうど今、特別保証が切れていくところです。

1-3. 駆動用バッテリーは特別保証の対象です

ハイブリッドの大きいほうのバッテリー(駆動用バッテリー)は、特別保証の対象です。つまり5年または10万km。

ここが2代目アクアのオーナーにとって、いちばん金額の大きい話になります。

まだ期間内であれば、不具合が出たときに無償で対応される可能性があります。逆に、期間を過ぎてしまうと自費です。

保証期間の正確な内容は、車に積んである「メンテナンスノート(保証書)」に書かれています。この記事の表は目安としてご覧ください。

リチウムイオン電池(MXPK10・15)とニッケル水素電池(MXPK11・13・16・18)で、保証の条件に差はありません。どちらも同じ5年・10万kmです。

「もう保証が切れていたら、どうしよう」 切れていても、まだ確認する先があります。リコール・サービスキャンペーンは、保証期間とは別の制度で、期間を過ぎていても対象になることがあります。第3章でご説明します。

1-4. メンテナンスノートがないと、保証修理を受けられません

見落とされやすい点です。

保証修理を受けるときは、メンテナンスノート(保証登録書を含む)を提示する必要があります。提示がない場合、保証修理を受けられません。

車内を探してみてください。ダッシュボードの中か、取扱説明書と一緒に入っていることが多いです。

また、保証の対象外になる場合も決められています。

  • 適切な点検・整備、正しい使用・管理がされていないことに起因する不具合
  • レースやラリー、一般に自動車が走行しないような荒地での走行により生じた不具合

1-5. 中古で買った方は、手続きが済んでいるか確認してください

ここがいちばん見落とされます。

中古車を買った場合、特別保証を引き継ぐには手続きが必要です。自動的には引き継がれません。

引き継ぐ(二次保証を受ける)には、次の両方が必要です。

  1. 新しい所有者がメンテナンスノート(保証登録書を含む)を持っていること
  2. トヨタ販売店で必要な有料点検を受けたうえで、新しい所有者の氏名・住所等を記入・捺印する手続きがされていること

これがされていないと、保証修理を断られます。

2代目アクアはまだ新しいため、中古で購入された方も多いはずです。「まだ5年経っていないから保証が効く」と思っていても、手続きが済んでいなければ使えません。

中古で購入された方は、メンテナンスノートを開いて、二次保証の欄に記入・捺印があるかを確認してください。なければ、購入した販売店に問い合わせてください。


2. 保証が切れる前に、しておくとよいこと

保証切れ前に症状、整備記録、リコールを確認するアイコン図
点検前の確認項目を示すAI生成の概念図です。実際の整備記録ではありません。

期限が近い方に向けて、実際にできることを挙げます。

2-1. 気になっている症状を、期限内に見てもらう

「そのうち直そう」がいちばんもったいないパターンです。

  • 異音がする
  • 警告灯が一瞬点いて消える
  • エアコンの効きが落ちてきた
  • 何か違和感がある

こうした症状は、保証期間内に一度見てもらってください。点検の記録が残るだけでも意味があります。

「はっきり壊れていないと言いにくい」と感じるかもしれませんが、症状を伝えて点検してもらうのは、まったく普通のことです。

2-2. 記録を残しておく

保証で対応してもらうには、適切な点検・整備を受けていたことが前提になります。定期点検を受けている方は、その記録を捨てずに残しておいてください。

2-3. リコールの未実施がないか確認する

保証とは別に、無償で修理される制度があります。次の章です。


3. 2代目アクアに出ている無償修理は4件です

リコール3件とサービスキャンペーン1件をチェックリストで示す概念図
リコールとサービスキャンペーンの確認を示すAI生成の概念図です。実際のメーカー資料ではありません。

3-0. 「リコール」と「サービスキャンペーン」は別のものです

まとめて「リコール」と呼ばれがちですが、制度が違います。

性格
リコール 保安基準に適合しない、または安全・環境上の問題があるとき
サービスキャンペーン 上記にはあたらないが、品質を改善するために行うもの

どちらも修理代はかかりません。ただし、重さが違います。

2026年9月時点で、2代目アクアにはリコールが3件、サービスキャンペーンが1件出ています。

3-1. リコール:前輪ロアアーム(2023年6月23日届出・届出番号5340)

対象車種 ヤリス・アクア・シエンタ
アクアの対象型式 6AA-MXPK10/MXPK11/MXPK15/MXPK16
アクアの対象台数 159,846台
原因 製造が不適切
内容 前輪のロアアームで、ボールジョイント取付部に亀裂が生じているものがある。そのまま凹凸のある路面を走ると亀裂が広がり、最悪の場合ロアアームが破断してボールジョイントが脱落するおそれ
改修 全車両を点検し、亀裂があるものだけを良品と交換

ロアアームは、タイヤを車体につないでいる腕のような部品です。ここのつなぎ目(ボールジョイント)が外れると、走行の安定を失います。

初代アクア(NHP10/NHP10H)は対象に含まれていません。また、MXPK13・MXPK18も対象外です。

3-2. リコール:前輪ロアアーム(2024年1月31日届出・届出番号5445)— 同じ部位の2件目

対象車種 ヤリス・アクア・シエンタ
アクアの対象型式 6AA-MXPK10/MXPK11/MXPK15/MXPK16(1件目と同じ4型式)
アクアの対象台数 209,102台
原因 使用環境に対する耐久性の検討が不十分
内容 降雪地域で融雪剤が頻繁にかかると腐食して亀裂が生じ、最悪の場合ボールジョイントが脱落して走行不能となるおそれ
改修 全車両を対策品に交換

1件目と同じ部位ですが、原因が違います。1件目は製造の問題、2件目は融雪剤による腐食です。

雪の降る地域にお住まいの方、冬に雪道を走る方は、とくに確認しておいてください。

この2件の関係が重要です。第4章でご説明します。

3-3. リコール:後席シートベルト(2023年10月18日届出)

対象車種 アクア(アクア単独)
アクアの対象型式 6AA-MXPK10/MXPK11/MXPK15/MXPK16
生産時期 令和5年(2023年)1月〜3月
台数 14,667台
内容 後席シートベルトの巻取装置に、仕様の異なるシャフトが組み付けられていた。衝突時にフォースリミッターが作動した際、ベルトの引き出し量が増え、乗員保護性能を満たさないおそれ

フォースリミッターは、衝突したときにベルトを少しだけ緩めて、体への負担を減らす仕組みです。これが想定どおりに働かないおそれがある、という内容です。

生産時期が2023年1月〜3月に限られているため、対象は2代目アクアです。

3-4. サービスキャンペーン:パノラミックビューモニターのカメラ(2026年4月9日公表)

いちばん新しい案件です。

対象車種 アクア・ヤリス・カムリ
アクアの対象型式 6AA-MXPK10/MXPK11/MXPK16
生産時期 令和4年(2022年)11月25日 〜 令和6年(2024年)3月5日
内容 パノラミックビューモニターの前方・側方カメラで、カメラ回路の製造工程で回路内部に亀裂が生じ、使用過程で亀裂が進展して導通不良となるものがある。そのため、車両周辺の一部映像が映らなくなるおそれ
改修 全車両、カメラの製造番号を点検し、該当する場合は良品と交換

「今は映っているから関係ない」とは限りません。改修の内容は「症状が出ていたら直す」ではなく、全車両のカメラの製造番号を点検するというものです。

パノラミックビューモニターは、車を上から見たように表示する駐車支援の機能です。装着していない車には関係ありません。

MXPK15・MXPK13・MXPK18は、この案件の対象に含まれていません。

「車台番号の範囲に入っていれば、必ず対象なの?」 いいえ。トヨタも「車台番号の範囲内でも全車が対象とはならない」と案内しています。最終的な判定は、車台番号で検索した結果に従ってください。


4. 「1回受けたから大丈夫」ではありません

前輪ロアアームの同じ部位で原因の異なるリコールが2回あったことを示す概念図
リコール履歴の見方を示すAI生成の概念図です。実際の部品や整備記録ではありません。

ここは、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

第3章の1件目と2件目を、もう一度見てください。

届出 部位
1件目 2023年6月23日 前輪ロアアーム
2件目 2024年1月31日 前輪ロアアーム

同じ部位です。

これは間違いではありません。2件目は、1件目と同じ部位でありながら、別の原因が判明したために、あらためて届け出られたものです。

そして、2件目の対象範囲は、1件目の対象範囲をすべて含んでいます。

改修内容も違います。1件目は全車両を点検し、亀裂があるものだけを交換。2件目は全車両を対策品に交換する内容です。

対象型式 アクアの対象台数
1件目(2023年6月) MXPK10/11/15/16 159,846台
2件目(2024年1月) MXPK10/11/15/16 209,102台

型式は同じで、台数が約5万台増えています。車台番号の範囲も、2件目が1件目を包み込む形になっています。

つまり、

2023年のリコールで修理を受けた車は、2024年のリコールの対象でもあります。

1件目で点検を受けて「亀裂なし」と判断された車も、2件目では交換の対象になります。

「去年ディーラーでリコールの作業をしてもらったから、もう大丈夫」と思っていると、2件目が未実施のまま残ります。

「そんなこと、連絡が来るんじゃないの?」 通知のハガキは届きます。ただ、引っ越して住所が変わっている場合や、中古で買った場合は届かないことがあります。中古で購入された方は、とくに一度確認してみてください。

確認のしかた

車検証の車台番号があれば、自分で確認できます。未実施のものがあれば表示されます。

手順はアクアのリコール・保証・無償修理を確認する方法にまとめています。5分で終わります。

なお、リコールの修理に期限はありません。何年前のものでも、未実施なら受けられます。


5. 駆動用バッテリー(バイポーラ型ニッケル水素電池)について

リチウムイオン電池とニッケル水素電池の違いを比較する概念図
電池の種類を説明するAI生成の概念図です。実際の電池部品を示すものではありません。

2代目アクアで話題になったのが、この電池です。

5-1. 型式を見れば、電池の種類が分かります

2代目アクアは、同じ車種の中で、駆動用バッテリーの種類そのものが違います。

車検証の「型式」を見てください。

型式 駆動方式 駆動用バッテリー
6AA-MXPK10 2WD リチウムイオン電池(4.3Ah)
6AA-MXPK15 E-Four(4WD) リチウムイオン電池(4.3Ah)
6AA-MXPK11 2WD バイポーラ型ニッケル水素電池(5.0Ah)
6AA-MXPK16 E-Four(4WD) バイポーラ型ニッケル水素電池(5.0Ah)
6AA-MXPK13 2WD バイポーラ型ニッケル水素電池(5.0Ah)
6AA-MXPK18 E-Four(4WD) バイポーラ型ニッケル水素電池(5.0Ah)

末尾が10・15ならリチウムイオン、それ以外はニッケル水素と覚えておけば十分です。

リチウムイオン電池はBグレードに搭載されていたもので、Bグレードは2024年4月の一部改良で廃止されています。

型式のくわしい見分け方はアクアの前期・中期・後期の違いにまとめています。

5-2. 交換費用は、まだ分かりません

正直にお伝えします。

2代目アクアの駆動用バッテリーを交換した事例は、現時点で確認できていません。整備事業者が公開している施工実績を調べましたが、1件も見つかりませんでした。

リチウムイオン電池(MXPK10・15)、ニッケル水素電池(MXPK11・13・16・18)のどちらについても、また「ハイブリッドシステム異常」の警告についても、公開されている修理事例はありませんでした。

※リビルト品(再生品)の販売は、部品の通販サイトで確認できます。ただし、それを実際に車に取り付けた施工事例は見つかっていません。

これは悪いことではありません。理由は2つ考えられます。

  1. 発売から5年で、まだ交換が必要な段階に達していない
  2. 保証期間内の不具合はトヨタ販売店で無償修理されるため、民間の整備工場に記録が残らない

民間の整備工場に交換の記録が出てくるのは、一般に保証期間を過ぎてからです。つまり、記録が見当たらないこと自体が、多くの車がまだ保証の中にいることの裏返しでもあります。

ただし、「費用の相場が分からない」ということでもあります。ネット上で「2代目アクアのバッテリー交換は◯万円」という記述を見かけても、その根拠を確かめてください。初代の金額をそのまま当てはめているものが少なくありません。

5-3. だから、保証期間の確認が最優先です

費用の相場が分からない以上、保証が使えるうちに確認しておくことの価値が大きくなります。

第1章の表で、ご自身の特別保証(5年・10万km)がいつまでかを確認してください。

初代アクアの駆動用バッテリーについては、実際の施工費用をアクアのハイブリッドバッテリー交換費用と寿命に整理しています。ただし、初代と2代目では電池の構造が違うため、金額をそのまま当てはめることはできません。


6. 初代の「持病」は、当てはまりません

世代による電池仕様の違いと型式・車台番号での確認を示す概念図
型式ごとの仕様確認を説明するAI生成の概念図です。実際の車両や電池部品ではありません。

検索すると「アクアの持病」「アクアはここが壊れる」という記事がたくさん出てきます。

そのほとんどは初代(NHP10)の話です。

初代アクアは2011年から2021年まで、10年にわたって売られた車です。10年以上経った個体の話が積み上がっているのは当然で、それは2代目の話ではありません。

初代と2代目では、

  • プラットフォーム(車の土台)が違います
  • エンジンが違います(初代1NZ-FXE/2代目M15A-FXE)
  • 駆動用バッテリーが違います
  • ボディサイズが違います

まったく別の設計の車です。

初代の情報を知りたい方、あるいは中古で初代を検討されている方は、初代アクアの持病・故障と修理費用をご覧ください。持病とされる24項目を1つずつ検証しています。


7. まとめ

保証期限、リコール、症状の3項目を確認するチェック図
確認項目をまとめたAI生成の概念図です。実際の点検結果や整備記録ではありません。

2代目アクアのオーナーの方が、今日できることは3つです。

① 車検証で初度登録年月を見る

特別保証(5年・10万km)がいつまでかを確認してください。走行距離が10万kmに近い方は、年数より先に切れます。

② 車台番号でリコールの未実施を確認する

アクアのリコール・保証・無償修理を確認する方法の手順で、5分で確認できます。

ロアアームは2回リコールが出ていて、2件目は1件目の対象をすべて含んでいます。「1回受けたから大丈夫」ではありません。

中古で買った方は、メンテナンスノートの二次保証の手続きも確認してください(第1-5章)。

③ 気になる症状は、保証が切れる前に見てもらう

「そのうち」がいちばんもったいない、という話でした。

保証・無償修理・診断を確認した後に、修理・車検・買い替えを比較するなら、アクアの修理・車検・買い替えの判断基準を確認してください。


この記事の根拠について

内容 確認先
一般保証・特別保証の期間と対象部位 トヨタ「アフターサービス|保証」/メンテナンスノート
保証修理の条件・適用除外・中古車の二次保証の手続き トヨタ メンテナンスノート
パノラミックビューモニターのサービスキャンペーン(2026年4月9日公表) トヨタ サービスキャンペーン情報
ロアアーム2件のアクアの対象型式・対象台数・車台番号の範囲 トヨタ リコール等情報(届出番号5340/5445)/国土交通省
前輪ロアアームのリコール(2023年6月23日届出) 国土交通省 リコール届出/トヨタ リコール等情報
前輪ロアアームのリコール(2024年1月31日届出・別原因) 同上
後席シートベルトのリコール(2023年10月18日届出・14,667台) 国土交通省 報道発表「リコールの届出について(トヨタ アクア)」
型式と駆動用バッテリーの対応 トヨタ アクア 主要諸元表
2代目の発売日(2021年7月19日) トヨタ ニュースリリース

対象かどうかの最終的な判定は、必ず車台番号で行ってください。年式・型式が同じでも、車台番号の範囲によって対象外のことがあります。

この記事は半年ごとに見直しています。


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