先に結論
中古車選びで一番大事なのは、安く買うことではなく、無理なく維持できるかです。
私は新車を一度も買わず、中古車だけで15台乗ってきましたが、後悔しやすいのは車両価格だけを見て、修理費・タイヤ代・車検・保険・売却額を見落とした時です。
中古車は、買う前に「入口」だけでなく「出口」まで見た方がいいです。
私はこれまで、新車を一度も買ったことがありません。
乗ってきた車は、すべて中古車です。大学時代のAE86から、BMW E30、そして今乗っているホンダ・フィットGP1ハイブリッドまで、思い出せるだけで15台になりました。
なぜ新車を買わないのか。
理由は、かっこいい話ではありません。
金がもったいない。新車でローンを組むのが嫌。車で借金したくない。
新車には新車の良さがあります。最新の安全装備、保証、きれいな内装、誰も乗っていない気持ちよさ。そこに価値を感じる人を否定するつもりはありません。
ただ私は、車のために大きな借金をすることに抵抗があります。だからずっと、身の丈に合った中古車を選んできました。
15台も乗り継ぐと、当たりの一台もあれば、失敗した一台もあります。安く買えたと思ったのに修理費が重かった車もありますし、逆に安いのに満足できた車もあります。
この記事では、中古車だけで15台乗ってきた私が、いま中古車を選ぶときに本当に見ているポイントを、実体験ベースで整理します。
これまで乗ってきた中古車15台

まず、私がこれまで乗ってきた車をざっくり並べておきます。
| 台数 | 車種 | 印象・メモ |
|---|---|---|
| 1台目 | トヨタ・コロナ T140型(MT) | 最初に乗ったマニュアル車 |
| 2台目 | 日産スカイライン R30型 ハードトップ 2000RS(AT) | クーペ/2ドアハードトップとして記憶に残る一台 |
| 3台目 | AE86(フロントがレビン、リアがトレノ・MT) | 大学時代、峠道を走り込んでいた車 |
| 4台目 | 日産セドリック Y32型(AT) | セダンの使い勝手を知った車 |
| 5台目 | BMW 3シリーズ E30型 セダン | 初めてのBMW。足回りの粘りに衝撃を受けた一台 |
| 6台目 | 日産180SX | 走り系の記憶が残る車 |
| 7台目 | 三菱リベロワゴンGT(AT) | エンジン故障で載せ替え。約40万円の出費 |
| 8台目 | スバル・レガシィツーリングワゴン BD/BG系(AT) | 4WDのタイヤ問題を知るきっかけ |
| 9台目 | トヨタ・カローラワゴン E10#型(AT) | 実用ワゴンとして活躍 |
| 10台目 | トヨタ・コロナプレミオ T210型(AT) | セダンの実用性を再確認 |
| 11台目 | スバル・レガシィツーリングワゴン BE/BH系(AT) | ワゴンと4WDの良さ・重さを再確認 |
| 12台目 | スバル・ステラ RN系(AT) | 軽の高速走行に不安を感じた |
| 13台目 | ダイハツ・MAX RS(AT) | 軽ターボの経験 |
| 14台目 | ホンダ・ステップワゴン RG系(AT) | ミニバンの便利さと燃費の現実 |
| 15台目 | ホンダ・フィット GP1 ハイブリッド(AT) | 現在の車。購入価格は約39万円 |
スポーツ系、ハードトップ、輸入セダン、国産セダン、ワゴン、軽自動車、ミニバン、ハイブリッド。我ながら、かなりバラバラです。
だからこそ、「この車が絶対に正解」とは言えません。
中古車選びで大事なのは、車そのものの評価だけではなく、自分の使い方に合っているか、無理なく維持できるか、売る時に大きく損しないかです。
中古車選びで一番後悔するのは「車種」より「使い方とのズレ」
15台乗ってきて強く感じるのは、中古車選びで後悔する原因は、車種そのものよりも「自分の使い方とのズレ」にあるということです。
軽自動車、セダン、ミニバン、ワゴン、スポーツ系、輸入車。それぞれに良さがあります。
ただ、生活に合わない車を選ぶと、どれだけ魅力的な車でも、だんだん苦しくなります。
軽自動車:街乗りは便利。でも高速は怖いことがある
軽自動車は維持費が安く、街乗りでは本当に便利です。
私もスバル・ステラやダイハツ・MAX RSに乗りました。税金も安い。燃費も良い。小回りも効きます。
ただ、私の感覚では、高速道路はかなり苦手でした。車体が軽く、スピードを上げるとフワフワする感じがあり、横風やトラックの追い越しでヒヤッとすることもあります。
もちろん、最近の軽自動車は安全装備も走行性能もかなり進化しています。
それでも、高速道路をよく使う人は、維持費の安さだけで軽を選ばない方がいいと思っています。街乗り中心なのか、高速をよく使うのか。ここは中古車選びでかなり大事です。
セダン:良い車でも、自分の生活に合わないと続かない
コロナ、セドリック、BMW E30 3シリーズ、コロナプレミオなど、セダン系にも何台か乗りました。
セダンにはセダンの良さがあります。乗り心地は良いですし、落ち着いた雰囲気もあります。
5台目に乗っていたBMW E30、3シリーズのセダンは、今でも忘れられない一台です。
一番驚いたのは、足回りの粘りでした。
当時の私はAE86でFR車の挙動を覚えていたので、リアが流れ出す感覚にはある程度慣れていたつもりでした。自分が乗ってきた国産FR車の感覚では、攻め込むとアンダーが出たり、リアが比較的早めに流れ出す印象がありました。
ところがE30は、まるで地面に吸い付くように曲がりました。
コーナリングの限界が想像以上に高く、足回りがとにかく粘る。同じ感覚でリアを滑らせようとしても、そう簡単には流れ出さない。ドリフト目線で見ると、むしろ滑らせる方が難しい車だと感じたほどです。
「輸入車は走りが違う」とよく言われますが、私にとってその実感の原点が、このE30でした。これが中古輸入車を身近に感じるきっかけになり、今また中古BMWに惹かれているのも、この時の衝撃が残っているからだと思います。

ただ、私の使い方では、セダンは少し合わない場面もありました。荷物を積むにはワゴンやミニバンの方が便利です。トランクは広くても、開口部が限られているので、大きな荷物は意外と載せにくい。
セダンが悪いわけではありません。
ただ、車はどれだけ良い車でも、自分の使い方に合わなければ続きません。中古車選びでは、車の評価よりも、自分の生活に合っているかを先に見るべきです。
一方で、R30スカイラインのハードトップや180SXのようなクーペ系・走り系の車は、実用性よりも「乗りたい気持ち」が先に来る車でした。
ミニバン:便利だけど、都会の燃費は想像以上に重い
ホンダ・ステップワゴンにも乗りました。
ミニバンは便利です。人も乗れる。荷物も積める。家族で使うならかなり実用的です。
ただ、都会で乗ると燃費がかなり気になりました。信号が多い。渋滞が多い。短距離移動が多い。そういう環境だと、ミニバンは思ったより燃費が伸びません。
郊外で長距離移動が多いなら良いですが、街中の短距離移動が中心なら、燃費と駐車場の使い勝手まで考えた方がいいです。ミニバンは「便利そう」だけで買うと、維持費でじわじわ効いてきます。
4WDワゴン:安心感はある。でも「タイヤ4本同時」を甘く見ると危ない

レガシィツーリングワゴンは2世代乗りました。安く買えて、かなり気に入っていた車です。
ただ、レガシィで強く印象に残っているのがタイヤです。
高速でタイヤがパンクした時、私は1本だけ交換すれば済むと思っていました。ところが整備の人に、「4WDは前後でタイヤの状態をそろえないと駆動系にトラブルが出る」と言われたのです。1本のつもりが、結局まとまった出費になりました。
これは、単に「お金がかかる」というだけの話ではありません。
SUBARU公式FAQでも、AWD車でタイヤのサイズや銘柄をそろえる必要がある理由を、「タイヤ回転径の差により、車両の駆動系に損傷を与える恐れがあるため」と説明しています。
さらに国土交通省は、「タイヤ交換に注意!四輪駆動車(4WD)で車両火災が発生」というページで、メーカー指定外のタイヤを使ったり、指定外の方法で装着したりすることで車両火災が起きていると注意喚起しています。
前後のタイヤの摩耗差を甘く見た結果、駆動系が傷み、最悪のケースでは火災につながる。これは個人の体感ではなく、公式に注意喚起されている話です。
4WDには、雨の日や雪道、高速道路での安心感があります。
ただし中古で4WDを選ぶなら、車両価格だけでなく、タイヤ代、「4本そろえて交換するのが基本」という維持コスト、そして安全面まで見ておくべきです。私がこの経験以来、4WDに少し苦手意識があるのは、ここに理由があります。
リベロワゴンGTで学んだ「安い中古でも、故障は一発で重い」

これまでで一番痛かった出費は、三菱リベロワゴンGTでした。
ランエボ系のエンジンを積んだ、かなり面白いワゴンでした。ただ、この車はエンジンが壊れて、載せ替えることになりました。費用は、たしか約40万円くらいだったと思います。
これは痛かったです。
中古車は、本体価格が安くても、故障の内容によっては一発で大きな出費になります。特に、速い車、ターボ車、凝った作りの車、部品代が高い車は、壊れた時のダメージが大きいです。
この経験から、私は中古車を見る時に、本体価格だけでなく、こう考えるようになりました。
この車は、壊れたら一番高い部分でいくらかかるのか。
エンジン、ミッション、ターボ、エアコン、電装系。このあたりが壊れると、車両価格よりも修理費の方が重く感じることがあります。
中古車は、安く買えたかどうかだけで判断してはいけません。買ったあとに壊れた時、どこまで許容できるか。ここまで考えておく必要があります。
私が民間車検を使えたのは、整備内容をある程度判断できたから

車検については、私はこれまで大きく想定外の出費で困った記憶があまりありません。理由のひとつは、昔から民間の整備工場を使うことが多かったからです。
ただし、ここは少し注意が必要です。
私は大学時代にAE86に乗っていて、当時は自分でできる範囲の整備もしていました。マフラー交換、内装交換、ブレーキフルード交換、ブレーキパッド交換、タイヤ交換、エンジンオイル交換、デフオイル交換、冷却水交換。このあたりの消耗品まわりは、自分で触った経験があります。
さらに、大学時代はガソリンスタンドでアルバイトもしていました。親戚に車の整備工場があり、幼い頃から整備工場に遊びに行く機会もありました。
もちろん、私は整備士ではありません。
ただ、車検見積もりを見た時に、完全な素人よりは、「これは安全上必要そうだ」「これは予防整備だろう」「これは今すぐ必要なのか確認したい」と考える材料がありました。だから、民間車検で費用を抑えつつ、必要な整備は追加するという判断がしやすかったのだと思います。
一方で、車は命に関わるものです。
さきほどの4WDのタイヤと車両火災の話のように、整備や安全に関わる判断を軽く見ると、取り返しのつかないことになりかねません。整備内容がよく分からない人にとっては、費用が高くてもディーラー車検の安心感は大きいです。純正部品、点検体制、保証面、説明の分かりやすさ。ディーラーにはディーラーのメリットがあります。
民間車検は安く済む可能性がありますが、そのぶん「何を削って、何を残すか」をある程度自分で判断する必要があります。安く済んだ分だけ、リスクを引き受けているとも言えます。
安い車検が正解なのではありません。
自分が整備内容を理解できるか。信頼できる工場があるか。
その2つがあって初めて、民間車検は強い選択肢になると思っています。
走行距離と修復歴は見る。ただし数字だけで決めない
中古車選びでよく見られるのが、走行距離と修復歴です。
もちろん、どちらも大事です。走行距離が多い車は、消耗品や故障リスクが高くなる場合があります。修復歴ありの車は、売却時の査定にも影響します。
ただ、私は走行距離と修復歴だけで機械的に判断することはありません。
正直に言うと、大学時代に乗っていたAE86がかなりボロボロだったので、それ以降の中古車は、ある程度どれも快適に感じてしまったところがあります。それに、消耗品まわりなら自分である程度手を入れられるので、多少の古さを過剰に怖がらずに済んだ面もあります。
半分冗談ですが、半分本気です。
中古車選びでは、完璧な一台を探し続けるより、自分がどこまで許容できるかを知っておくことも大事です。
ただし、これは中古車に慣れている人の話です。初めて中古車を買う人や、故障・修理に不安がある人は、基本的には修復歴なし、整備記録ありの車を選ぶ方が無難です。
現車を見るなら、内装と売り手の対応を見る

私はこれまで、店で買うより、人から譲ってもらったり、ヤフオクで買ったりすることも多くありました。だからこそ、現車確認と売り手の対応は大事だと感じています。
現車を見る時、私は外装より内装をよく見ます。
外装は磨けばきれいに見えます。でも、内装には前のオーナーの使い方が出ます。シートの汚れ、ハンドルの擦れ、スイッチまわりのベタつき、荷室の扱い方。内装が明らかに汚い車は、私はかなり慎重になります。
それに加えて、売り手の対応も重要です。
過去には、売り手の対応に不安を感じたこともあります。たとえば、ローン会社に提出する契約書が必要になった時、「こちらの会社のフォーマットを渡すので、自分で作ってもらえないか」と言われたことがありました。
また、引き渡しまでにパワーウインドウの不具合を直す、オイル交換もしておくと言われていたのに、実際には対応されず、「大丈夫、大丈夫、問題ない」と押し切られたこともあります。
相手の人柄が悪かったというより、かなり大ざっぱな対応でした。陽気で憎めない雰囲気もあり、当時の私はそのまま受け入れてしまいました。
ただ、今考えると、中古車ではこういう曖昧さこそ注意すべきです。契約書、整備内容、修理予定、引き渡し条件は、口約束ではなく、できるだけ書面やメッセージで残しておくべきです。
中古車は、車そのものだけでなく、売る側の姿勢も見た方がいいです。
現在のフィットGP1は約39万円。安い中古でも満足できる

今乗っているのは、ホンダ・フィットGP1ハイブリッドです。買った時の価格は約39万円でした。今考えると、かなり安かったと思います。
もちろん、安い車には安い理由があります。年式、走行距離、状態、人気、装備など、いろいろな要素があります。
ただ、私にとって今のフィットは、かなり現実的な選択でした。燃費が良い。街乗りしやすい。維持費も重すぎない。実用性もある。
中古車は、必ずしも高い車が正解ではありません。自分の使い方に合っていて、維持費が許容できて、納得して乗れるなら、安い中古でも十分満足できます。
AE86で峠を走っていた人間が、今は39万円のフィットに納得して乗っている。これが、CAR FILEで大事にしたい感覚です。
買う前に必ず見るチェックリスト
ここまでの経験を、買う前に見る項目としてまとめます。勢いで買って後悔しないために、最低限ここは確認した方がいいです。
- その車をなぜ欲しいのか:見た目なのか、実用なのか、趣味なのか。目的が曖昧だと後悔しやすい。
- 支払総額:本体価格ではなく、諸費用、整備、保証、税金まで含めた総額で見る。
- 整備履歴:走行距離だけでなく、オイル交換や車検整備の履歴を見る。
- 故障したら高い部分:エンジン、ミッション、ターボ、エアコン、電装系など、壊れた時に高い部分を調べる。
- タイヤの状態:残り溝、製造年、銘柄、摩耗差を見る。特に4WDは指定サイズ・同一銘柄・摩耗差に注意。状態によっては4本同時交換が必要になることもある。
- 車検残:買ってすぐ車検なら、その費用も実質的な購入コストになる。
- 保険料:車種、年齢、等級、車両保険の有無で大きく変わる。買う前に見積もりを見た方がいい。
- 売る時のこと:人気車種か、過走行でも需要があるか、極端に値落ちしないかを見る。
- 売り手の対応:説明が曖昧ではないか。修理予定や整備内容が口約束だけになっていないかを見る。
CAR FILEでこれから記録していくこと
私は今、次の車を迷っています。
もう一度MT車に乗りたい気持ちもありますし、また中古BMWに乗ってみたい気持ちもあります。過去にBMW E30の3シリーズセダンに乗っていたこともあり、BMWには今でも少し特別な感覚があります。
ただ、勢いだけでは買いません。維持費、保険料、故障リスク、売却額、普段使いのしやすさまで見て決めるつもりです。
CAR FILEでは、そうした中古車選びの過程を、できるだけ実体験ベースで記録していきます。
- 次の一台に何を選ぶか、その判断の過程
- 中古の輸入車・MT車は現実的に維持できるのか
- 中古BMWはもう一度乗る価値があるのか
- 中古車の維持費は、結局いくらかかるのか
- 車検前に売るべきか、通して乗るべきか
- 今の車はいくらで売れるのか
- 保険料はどれくらい変わるのか
ただの車紹介ではなく、買う前、乗っている間、売る時まで含めて記録する。それがCAR FILEの方針です。
まとめ:中古車は「入口」だけで選ばない
大学時代、ボロボロのAE86で峠を走っていた人間が、BMW E30を経て、今は中古39万円のフィットに乗っています。
派手な遍歴に見えるかもしれませんが、一貫しているのは、車のために無理な借金をしないことです。
中古車は、うまく選べば本当に面白い買い物です。新車では手が届かない車にも乗れます。昔好きだった車に、もう一度乗ることもできます。
ただし、安さや勢いだけで選ぶと後悔します。
見るべきなのは、車両価格だけではありません。維持費、修理費、車検、保険料、タイヤ代、燃費、売却額、そして自分の使い方との相性と安全。
買う前に、出口まで見る。これが、中古車だけで15台乗り継いできて学んだ一番大きなポイントです。
買って後悔しない。持って苦しまない。売って損しない。
そのための中古車記録を、このサイトに残していきます。
