「この車は、もう廃車ですね」
修理工場やディーラーでそう言われて、このページにたどり着いた方も多いと思います。
でも、あわてて処分を決める必要はありません。「廃車と言われた車」でも、売れば値が付くことがあります。反対に、売るより廃車にしたほうが、手元にお金が多く残る場合もあります。この記事では、その見分け方を、公的機関と各社の公式情報をもとに説明します。
結論:「廃車と言われた」は、「価値がゼロ」という意味ではありません。
多くの場合は「直して乗るより、手放したほうがよい」という意味です。手放し方には、廃車にすると売るの2つがあります。
- 手続きを始める前に、保険会社と車検証の所有者に「手放してよいか」を確認する
- 廃車と売却を、手元に残るお金で比べる
- 売るなら、車の状態に合った売り先に金額を聞く。承諾の返事は、比べ終わってから
今の状況に合わせて、読み始める場所を選んでください。
| 今の状況 | まずやること | 読む場所 |
|---|---|---|
| 保険を使う予定がある。または、ローンが残っている | 保険会社と所有者に確認する。まだ契約はしない | 第2章 |
| 廃車と売却、どちらが得か知りたい | 手元に残るお金で比べる | 第4章・第5章 |
| 売ると決めている | 車の状態に合った売り先に金額を聞く | 第7章 |
| 自分で廃車の手続きをしたい | 手続きの種類と流れを確認する | 第8章 |
※この記事は、2026年9月27日時点の公式情報をもとにしています。実際に査定を申し込んだ体験談や、実際の査定額は載せていません。手数料や税金の扱いは変わることがあります。
1. 「廃車と言われた」は、価値がゼロという意味ではない

1-1. 「廃車」は、いくつかの手続きをまとめた呼び方
「廃車」という言葉は、実は1つの手続きの名前ではありません。国土交通省も一般向けの説明で「廃車」という言葉を使っていますが、実際の手続きは次のように分かれています(第8章)。
- 車を解体して、登録を消す
- 車を残したまま、一時的に登録を消す
- 車を海外に輸出するために、登録を消す
1-2. 修理工場の「廃車」は、多くの場合「直す意味がない」
修理工場やディーラーが「廃車ですね」と言うとき、多くの場合は「修理代が、車の価値に見合わない」という意味です。
ただし、それは「日本で、直して乗る場合」の話です。直さずに売れば、次の理由で値が付くことがあります(第3章)。
- 車に使われている金属などの資源に価値がある
- 海外では、日本で乗らなくなった車を直して使う需要がある
1-3. 保険会社の「全損」とは別の話
修理工場の「廃車」と、保険会社の「全損」は別のものです。全損は保険金の支払いの区分で、全損の保険金を受け取ると、車が保険会社のものになることがあります(第2章)。
まだ修理するかどうか決めていない場合は、修理の見積もり・保険会社の回答・今の状態での査定額の3つをそろえてから決めてください。直してしまった後では、直さずに売った場合の金額と比べられません。
2. 手放す前に:保険会社とローン会社への確認

事故車ならではの確認です。ここを飛ばして手続きを始めると、自分の車なのに手放せなかったり、違約金を請求されたりすることがあります。
2-1. 全損の保険金を受け取る予定なら、保険会社へ
保険の「全損」は、修理費が車の時価(車両保険の場合は保険金額)以上になる場合や、損傷が激しく修理できない場合などをいいます(ソニー損保)。
日本自動車購入協会(JPUC)は、全損と認定された場合、保険会社が保険金の支払いと引き換えに車を引き揚げる可能性があり、その場合は買取業者などに売ることはできないと説明しています。保険法第24条の「残存物代位」に関係する扱いで、契約の条件や、車を手元に残す合意によって扱いは変わります。
実際にJPUCには、自損事故で走れなくなった車を入庫先と売買契約した後、保険会社が全損と認定して車を引き揚げることになり、キャンセルを申し出たら違約金を請求された、という相談が寄せられています(JPUCの相談事例)。自分が被害者の事故でも、相手の保険会社が全損の車を引き揚げることがあるとしています。
保険金の手続きが終わっていない段階で、車を廃車にしたり売ったりしないでください。先に保険会社に「この車を処分してよいか」を確認します。
2-2. 保険会社が損害を確認してから
相手がいる事故や、保険を使う場合は、保険会社が損害を確認する前に車を手放さないでください。車がなくなると、損害を確かめられなくなるおそれがあります。処分する前に、保険会社へ確認するのが安全です。
2-3. ローンが残っている・車検証の所有者が自分でない
車検証の「所有者」の欄が、ディーラーや信販会社になっていることがあります(所有権留保)。この場合、使用者だけの判断では手放せません。ローンを精算して、所有権を外す手続き(所有権解除)が必要です(JPUC)。
- 軽自動車も、使用者と所有者が違う場合は、手続きの前に所有者の承諾が必要です(軽自動車検査協会)
- 銀行などのマイカーローンで、車検証の所有者が自分になっている場合は、ローンが残っていても手放せることがあります。その場合も、ローンの返済は続きます
- ローンが残った事故車でも売却できるよう、ローン組替サービスを用意している買取業者もあります(例:タウ。同社の説明)
まずは、車検証の所有者の欄にある会社に問い合わせてください。
こんなときは、まだ廃車や売却の契約をしない
- 保険会社の判断(全損かどうか、車をどうするか)が出ていない
- 保険会社が、まだ損害を確認していない
- 車検証の所有者がローン会社で、所有権解除の手続きが済んでいない
- 修理するか手放すか、まだ決めていない
金額を聞くこと自体は、決めるための材料になります。ただし、どの時点で契約になるか、キャンセルにいくらかかるかは、会社ごとに違います(第7章)。
3. 事故車に値が付く理由

「動かない事故車に、本当に値が付くの?」と思われるかもしれません。値が付く理由は、主に2つあります。
3-1. 資源としての価値
車には、鉄・銅・アルミなどが使われています。自動車リサイクル促進センターも、使用済みの車からこれらを回収して再資源化していることを紹介しています。走れなくなっても、車が「物として無価値」になるわけではありません。
3-2. 海外への販売
日本では「修理代が見合わない」とされる車でも、海外では直して使われることがあります。事故車の買取を専門にしている株式会社タウは、海外への販売ルートを持っているため、大きく損傷した車や自走できない車も買い取っていると説明しています(同社「よくある質問」)。
3-3. 売ると、リサイクル料金の分も受け取れる
車を買ったときに預けたリサイクル料金は、車を解体すると処理に使われ、戻りません。
一方、中古車として売る場合は、自動車リサイクル促進センターの説明によると、売主は「車両の価値+リサイクル料金相当額」を受け取る仕組みになっています(資金管理料金の分は含まれません)。
買取の見積もりに、リサイクル料金相当額が含まれているかを確認してください。
4. 廃車で戻るお金と、売った場合の違い

ここがこの記事でいちばん大事なところです。
4-1. 比較表
| お金 | 解体して廃車にした場合 | 売った場合(名義変更) |
|---|---|---|
| 自動車税(普通車) | 抹消した月の翌月から3月までの分が、月割で戻る(通常、申請は不要) | 戻らない(4月1日時点の所有者に1年分が課税される) |
| 軽自動車税 | 戻らない(月割の制度がない) | 戻らない |
| 自動車重量税 | 車検の残りが1か月以上なら、残りの月数分が戻る(解体の手続きと同時に申請) | 戻らない(売った場合は還付の対象外) |
| 自賠責保険 | 自分で保険会社に解約を申し込めば、返還される場合がある | 次の所有者に引き継ぐ(名義の変更に手続きがある) |
| リサイクル料金 | 戻らない(処理に使われる) | リサイクル料金相当額を受け取る(見積もりに含まれているか確認) |
売った場合、税金や自賠責が公的に戻らない代わりに、その分が買取額に含まれていることがあります。含まれているかどうかは会社によって違います。全国共通のルールは確認できませんでした。見積もりのときに内訳を聞いてください(第5章)。
4-2. 廃車買取に売る場合は、扱いが会社ごとに違う
廃車買取の会社に売ると、その会社が抹消の手続きをします。この場合、戻るお金がどう扱われるかは会社ごとに違います。たとえばハイシャルは、次のように案内しています(同社の還付金の説明)。
- 自動車重量税の還付金と、自賠責保険の返戻金の分は、買取額に含めて提示し、手続きが終わる前に立て替えて支払う
- 軽自動車税には、還付の制度がない
この場合、重量税と自賠責の分を「別に戻るお金」として足すと、二重に数えることになります。買取額に何が含まれていて、何があとから別に戻るのかを、会社ごとに確認してください。
4-3. 重量税は、いくら戻る?
国税庁の計算方法は次のとおりです。
戻る額 = 納めた重量税 × 車検の残り月数 ÷ 車検の有効期間の月数
国税庁の例では、納めた重量税24,600円、車検の残り5か月、有効期間24か月の場合、5,125円が戻ります。
注意点が3つあります。
- 解体しないと戻りません。一時抹消登録や自動車検査証返納届だけでは、還付の条件を満たしません
- 輸出した場合も、売った場合も戻りません
- 還付を受けるのは、原則として引取業者に車を渡した最終所有者です
4-4. 3月末は、とくに注意
自動車税は、毎年4月1日の時点で車検証に載っている人に、1年分がかかります。
売る場合も廃車にする場合も、3月中に手続きが終わらないと、翌年度の自動車税の通知があなたに届きます。東京都主税局も、名義変更や廃車の登録をしないと、前の所有者に課税され続けることがあると注意を呼びかけています。
3月に手放す場合は、「名義変更(抹消)は、いつ終わりますか」と必ず聞いてください。
4-5. 軽自動車の方へ
軽自動車税には、月割の制度がありません(柏市)。4月2日以降に廃車にしても、その年度の分は戻りません。普通車よりも「廃車にすると税金が戻る」という利点が小さくなります。
5. 手元に残るお金の比べ方

第4章の表をもとに、2つを並べて計算します。
手元に残るお金
| 廃車にする | 自動車税の還付(普通車のみ)+ 重量税の還付 + 自賠責の返還 − 処分費用 − 手続きの代行料 |
|---|---|
| 売る | 買取額(リサイクル料金相当額などを含むか確認)+ 別に戻るお金(あれば)− 引き取りの費用 |
「廃車にすると税金が戻るから得」とは限りません。買取額が、戻る税金より大きいこともあります。逆に、処分費用がかかる場合は、その分だけ廃車の手取りが減ります。
見積もりで聞くこと(そのまま使えます)
- 買取額に、リサイクル料金相当額は含まれていますか。
- 自動車税や自賠責保険の残りの期間の分は、買取額に含まれていますか。それとも、あとから別に戻りますか。
- レッカー代・引き取り費用・手続きの代行料はかかりますか。
- どの時点で契約になりますか。契約後のキャンセルには、いくらかかりますか。
- 名義変更(または抹消)は、いつまでに終わりますか。終わったら連絡をもらえますか。
- 契約した後に、金額が変わることはありますか。
電話で金額を聞いたときに「それでお願いします」と答えると、承諾や契約として扱われることがあります。比べ終わるまでは、「今日は金額を聞くだけです。比べてから、こちらから連絡します」と伝えてください。
6. 処分費用:「無料」の範囲は会社ごとに違う

6-1. 公的な基準はない
解体の費用、レッカー代、手続きの代行料には、国や業界団体が決めた基準はありません。事業者ごとに自由に決められています。窓口に払う法定の手数料(第8章)とは別のものです。
6-2. 「無料」と書いてあっても、何が無料かを確認する
廃車や事故車の買取をしている会社には、「引き取り無料」「手続き無料」とうたうところが多くあります。ただ、何が無料で、どんな場合に例外があるかは、会社ごとに違います。
たとえば、タウは、出張査定・レッカー・名義変更などの費用はかからないとしています(一部離島を除く。同社の説明)。一方、「原則無料」という表現にとどめている会社もあります。
「どんな場合に費用がかかりますか」と、申し込む前に聞いてください。
6-3. 修理工場に預けたままの場合
事故車を修理工場に預けたまま手放す場合、保管料・見積もり料・分解の工賃を請求されることがあります。これにも全国共通の基準はありません。「見積もりに費用はかかりますか」「保管料はいつから発生しますか」と、工場に先に確認してください。
7. 売ると決めたら:車の状態別の売り先

| 車の状態 | 向いている売り先 |
|---|---|
| 事故で外装や機関が大きく壊れ、そのままでは使えない | 事故車の専門買取(タウ。7-1)。年式が古い・走行距離が多い車は、廃車買取にも金額を聞く |
| 事故歴はないが、故障している・古い・走行距離が多い・動かない | 故障車・不動車も扱う買取(カーネクスト。7-2) |
| 修理済み(修復歴車)・損傷が軽く、自分で運転できる | ふつうの買取査定(車の状態別の買取サービスガイド) |
| どちらか迷う・金額を比べたい | 両方に聞く(比べられるのは契約の前だけです) |
7-1. 事故で大きく壊れた車なら、事故車専門のタウ
タウは事故車の買取を専門にしており、海外への販売ルートを持っていると説明しています。日本では「廃車」と言われた車でも、値が付くことがあるのはこのためです。特に新しい年式の車を高値で引き取っているとしています(同社「よくある質問」)。
同社の説明で確認できる点は、次のとおりです。
- 一部離島を除き、全国で出張査定を無料で行っている。レッカーや名義変更の費用もかからないとしている
- 事故車が修理工場に入っている場合は、保管先に連絡して査定に行く。立ち会いは不要で、査定額は電話で知らせる
- 最短で、依頼の翌日に引き取る
- 査定後に提示した金額からの減額はない(契約から引き渡しまでに車の状態が変わった場合は別)
- 代金は、引き取り完了から1〜2週間後に振り込む
申し込む前に、利用規約(2024年11月26日改訂版)の次の点も知っておいてください。
| 場面 | タウの規約 |
|---|---|
| 金額を聞いて、承諾しなかった場合 | 費用はかからない(査定は原則無料) |
| 承諾したのに、契約しなかった場合 | 査定手数料として1台20,000円(第8条)。承諾は、書面・電話(口頭)・メールのどれでも成立する |
| 契約した後のキャンセル | 契約から1週間以内なら買取額の10%。1週間を過ぎると解約できない |
| 書類の提出が遅れた場合 | 指定の期日から7営業日を過ぎても出さないと、解約されたうえでペナルティ50,000円 |
| 引き渡しまで | 契約後に車の状態が変わると、減額されることがある |
つまり、「金額を聞く」と「承諾する」を分けてください。金額を聞くだけなら無料です。廃車にした場合の手取り(第5章)や、ほかの売り先の金額と比べてから、承諾の返事をしてください。
申し込むと、連絡が来るのはタウ1社だけです(一括査定ではありません)。査定は、こちらが送った車の情報や画像の範囲で行われるため(同社規約)、損傷の様子が分かる写真を用意しておくと、話が早く進みます。
事故で大きく壊れた車は、廃車にする前に事故車専門の買取額を確認
修理工場で「廃車」と言われた車でも、事故車専門の買取なら値が付くことがあります。
次に当てはまる方が対象です
- 事故の損傷が今も大きく残り、そのままでは使えない
- 保険会社と車検証の所有者に、売ってよいことを確認した
- 連絡はタウ1社だけ(一括査定ではありません)
- 立ち会い不要。修理工場に置いたままでも査定を依頼できる(同社の説明)
- 出張査定・レッカー・名義変更の費用はかからない(一部離島を除く。同社の説明)
金額を聞くだけなら無料です。ただし、提示された金額を承諾した後に契約しないと、査定手数料20,000円がかかります(同社規約第8条)。承諾は書面・電話・メールのどれでも成立します。返事は、ほかの売り先や廃車にした場合の手取りと比べてからにしてください。
WEBで無料査定を申し込む(査定額はタウから電話で届きます)
承諾の返事は、比べてからで大丈夫です。
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7-2. 事故歴のない故障車・動かない車なら
カーネクストは、低年式・過走行・故障車・不動車も0円以上で買い取るとうたっており、引き取りのレッカー代と廃車手続きの代行費用はかからないとしています(一部離島を除く。同社の説明)。修理工場やディーラーに預けている場合は、その場所からの引き取りに対応できるかを、申し込むときに確認してください。
申し込む前に知っておきたいのは、キャンセルの決まりです。カーネクストの利用規約には、申し込み後に契約を解除する場合、手数料として一律30,000円を負担すると書かれています。契約になる時点を最初の電話で確認し、比べ終わるまでは「考えます」と伝えてください。
事故で壊れた車でも、年式が古い場合や、金額を比べたい場合は、タウとあわせて聞いてみてください。
動かせない車・値が付きにくい車は、処分費用を払う前に買取額を確認
自走できない車や車検切れの車も、廃車の費用を払う前に買取の条件を確かめてください。査定額だけでなく、引き取りと書類手続きの条件まで比べるのがポイントです。
次に当てはまる方が対象です
- 自走できない・車検切れ・年式が古いなど、ふつうの買取店で値が付きにくい
- 保険会社と車検証の所有者に、手放してよいことを確認した
- 査定・引き取り・手続きの費用は無料と案内(一部離島を除く)
- 金額を聞いたら「考えます」と伝え、比べてから返事をして大丈夫です
申込後、電話で査定額の案内があります。電話で売却の意思を伝えると契約(成約)となり、利用規約上、申込後に契約を解除すると一律30,000円の手数料がかかります。返事は比べ終わってからにしてください。引き取りの対象地域・車両の条件、入金の時期は申込先でご確認ください。
走れる故障車・古い車・走行距離が多い車の場合
動かない車・廃車を考えている車の場合
査定は無料です。返事は比べてからで大丈夫です。
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7-3. 契約する前に
- 車の売買に、クーリング・オフはありません。業者に自宅へ来てもらって売る場合でも、車の売却は特定商取引法の規制の対象外です(国民生活センター、消費者庁)。比べられるのは契約の前だけです
- タウの場合、提示額を承諾した後に契約しないと査定手数料20,000円、契約後のキャンセルは1週間以内なら買取額の10%で、1週間を過ぎると解約できません(7-1)
- カーネクストの場合、申し込み後の契約解除には一律30,000円がかかります(7-2)
- 事故や修理の経緯は、知っている範囲で正直に伝えてください
8. 自分で廃車にする場合:手続きは3種類

普通車と軽自動車で、手続きの名前と窓口が違います。
| やりたいこと | 普通車(運輸支局など) | 軽自動車(軽自動車検査協会) |
|---|---|---|
| 解体して、二度と乗らない | 永久抹消登録(手数料無料) | 解体返納(手数料無料) |
| 車を残して、一時的に使うのをやめる | 一時抹消登録(窓口500円/オンライン450円) | 自動車検査証返納届(返納証明書の交付450円) |
| 一時的にやめた後で、解体した | 解体届出(手数料無料) | 解体届出(手数料無料) |
| 海外に輸出する | 輸出抹消仮登録(500円) | 輸出予定届出証明書の交付(500円) |
※普通車の手数料は、2026年4月1日以降の額です。古い案内ページには、改定前の金額が残っていることがあります(国土交通省/運輸支局の手数料改定の案内)。軽自動車は解体返納・自動車検査証返納届の案内(軽自動車検査協会)を参照しています。
※上の金額は、窓口に払う手数料だけです。印鑑証明書の取得費や、業者に頼む場合の代行料は別です。
8-1. 解体する場合の流れ
事故車を解体する場合、流れは自動車リサイクル法で決まっています。
- 引取業者に車を渡す:自治体に登録を受けた業者です。登録があるかは、自動車リサイクルシステムのサイトで調べられます
- 「使用済自動車引取証明書」を受け取る:永久抹消登録や解体返納で使います。なくさないでください
- 解体が終わったら、業者から連絡が来る(解体報告記録日)
- 永久抹消登録(普通車)・解体返納(軽自動車)をする:解体の連絡を受ける前には申請できません
業者に手続きまで任せる場合も、この流れは同じです。
9. 任せた後に確認すること

業者に車を渡しても、名義変更や抹消が終わったとは限りません。車の引き渡し、リサイクルの処理、登録の手続きは、それぞれ別のものです。
| 確認すること | 方法 |
|---|---|
| 名義変更・抹消が終わったか(普通車) | 運輸支局などで「登録事項等証明書」を請求する(現在証明400円・2026年4月以降) |
| 解体の処理が進んでいるか | 自動車リサイクルシステムのサイトの「使用済自動車処理状況検索」で調べる |
| 業者から受け取った書類 | 使用済自動車引取証明書、名義変更・抹消が終わったことの連絡。捨てずに保管する |
翌年度の自動車税の通知が届いたら、すぐに業者に連絡してください。名義変更や抹消が終わっていない可能性があります。
10. 手放した後の手続き

10-1. 任意保険:中断証明書をもらう
任意保険は、車を手放しても自動では解約されません。保険会社に連絡して、解約か中断の手続きをしてください。
すぐに次の車に乗らない場合は、中断証明書をもらってください。今の等級を保っておける制度です。東京海上日動の場合、車を廃車・譲渡・一時抹消したときなどに使え、発行できるのは解約日または満期日から5年以内、証明書を使える期間は10年間です(東京海上日動)。
発行には、等級が7等級以上であることなどの条件があり、期限を13か月以内としている保険会社もあります。また、解約日は、車を手放す日にそろえてください。解約した後で車を手放すと、発行できないことがあります(東京海上ダイレクト)。条件は、ご自身の保険会社に確認してください。
10-2. ETC:カードを抜き、車載器は再セットアップ
車を渡す前に、ETCカードを抜いてください。車載器を外して次の車に付け替える場合は、再セットアップが必要です(ETCシステム利用規程)。
10-3. 車の中の私物
カーナビに残っている自宅の住所や電話帳、ドライブレコーダーのSDカード、車検証入れの中の書類も確認してください。タウの規約では、引き渡し後に車内に残った私物は、同社が処分できることになっています。
11. よくある質問

修理工場に、そのまま廃車を頼んでもいいですか?
頼むことはできます。ただし、処分費用がかかることがある一方で、売れば値が付く場合もあります。頼む前に、工場に処分費用を聞き、買取業者の金額と手元に残るお金で比べてください(第5章・第6章)。
金額を聞いてから、断ってもいいですか?
断ることはできます。ただし、条件は会社ごとに違います。タウは、提示された金額を承諾したあとに契約しないと、査定手数料20,000円がかかります(同社規約第8条)。カーネクストは、申し込み後に契約を解除すると一律30,000円です(同社規約)。比べ終わるまでは、承諾や契約の返事をしないでください。
軽自動車でも、廃車にすれば税金は戻りますか?
軽自動車税は戻りません。月割の制度がないためです(柏市)。重量税は、解体して車検の残りが1か月以上あれば戻ります。
車検が残っていれば、重量税は必ず戻りますか?
解体した場合だけです。売った場合、輸出した場合、一時抹消だけの場合は戻りません。車検の残りが1か月未満の場合も戻りません。
廃車にすると、リサイクル料金は戻りますか?
解体すると戻りません。処理に使われるためです。中古車として売る場合は、リサイクル料金相当額を受け取る仕組みです。
自賠責保険は、廃車にすれば自動で返ってきますか?
自動では返ってきません。自分で保険会社に解約を申し込む必要があります。損保ジャパンの場合、解約日は廃車の登録をした日ではなく、保険会社が必要な書類を受け取った日です(損保ジャパン)。満期まで1か月以上残っていれば、保険料が返ってきます(同社)。早めに手続きしてください。
自分で廃車の手続きをできますか?
できます。普通車は運輸支局など、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きします(第8章)。ただし、解体する場合は、まず引取業者に車を渡す必要があります。動かない事故車の場合は、引き取りから手続きまで業者に任せるほうが手間は少なくなります。
相手がいる事故で、廃車の費用は誰が払いますか?
過失割合や、相手の保険の支払い内容によって変わります。相手の保険会社、または自分の保険会社に確認してください。
12. まとめ

- 「廃車と言われた」は、価値ゼロという意味ではない。直さずに売れば、値が付くことがある
- 手放す前に、保険会社と車検証の所有者に確認する
- 手元に残るお金で比べる。廃車の還付金と、買取額(内訳を確認)を並べる
- 軽自動車は、廃車にしても軽自動車税は戻らない
- 金額を聞くのと、承諾するのは別。承諾の返事は、比べ終わってから
- 任せた後も、名義変更・抹消が終わったかを確認する。任意保険は、中断証明書を忘れずに
事故で大きく壊れた車は、廃車にする前に事故車専門の買取額を確認
金額を聞くだけなら無料です。ただし、提示された金額を承諾した後に契約しないと、査定手数料20,000円がかかります(同社規約第8条)。承諾は書面・電話・メールのどれでも成立します。返事は、ほかの売り先や廃車にした場合の手取りと比べてからにしてください。
WEBで無料査定を申し込む(査定額はタウから電話で届きます)
承諾の返事は、比べてからで大丈夫です。
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売買契約書にサインする前に、この8つを確認してください
口頭の説明だけで判断せず、契約書に書かれた条件と一致しているか確認してください。
- 金額を承諾しただけで費用が発生する条件はないか(電話で「お願いします」と答えただけで承諾・契約になる場合があります)
- キャンセルできる期限はいつまでか(「契約後」か「車両引渡し後」かで大きく違います)
- キャンセル料・違約金はいくらか(金額が書かれていない場合は必ず質問を)
- 契約後に減額される条件は何か(「後日、修復歴が判明した場合」等の条項の有無)
- 入金はいつか(「引渡し後○営業日」の形で書面に残っているか)
- 申告した内容が書面に反映されているか(故障・警告灯・修復歴・水没・改造は口頭で伝えるだけにしない)
- 名義変更はいつ完了し、その報告はもらえるか(税金・違反通知のトラブル防止)
- ローン残債がある場合、精算方法と所有権解除の手順
車の売却は、訪問購入のクーリング・オフ対象外となる場合があります。「会社が有名だから安心」ではなく、契約書に書かれている条件がすべてです。キャンセル料や違約金を請求された場合は、その内訳と根拠を書面で求めてください。判断に迷う場合は、国民生活センターやJPUC(日本自動車購入協会)の相談窓口も利用できます。
この記事の根拠について
| 内容 | 確認先 |
|---|---|
| 抹消登録の種類・手数料(2026年4月以降) | 国土交通省(東北運輸局・関東運輸局の案内、登録関係手数料の改定表)/運輸支局の手数料改定の案内 |
| 軽自動車の手続き・手数料、所有者の承諾 | 軽自動車検査協会(解体返納/自動車検査証返納届) |
| 引取業者・使用済自動車引取証明書・処理状況検索 | 自動車リサイクルシステム/高崎市 |
| リサイクル料金の扱い(解体・輸出・売却) | 自動車リサイクルシステム/自動車リサイクル促進センター |
| 金属資源の再資源化 | 自動車リサイクル促進センター |
| 自動車税の月割・4月1日の課税・名義変更の注意 | 東京都主税局 |
| 軽自動車税に月割がないこと | 柏市「年度の途中で譲渡・廃車した場合の軽自動車税」 |
| 自動車重量税の廃車還付・計算方法・対象外の場合 | 国税庁 |
| 自賠責保険の解約日・返還の条件 | 損保ジャパン(解約日/返還の条件) |
| 保険の「全損」の意味 | ソニー損保「全損」 |
| 全損で保険会社が車を引き揚げる可能性、所有権解除 | 日本自動車購入協会(JPUC)「残価設定型クレジット返済中の車で事故を起こした」相談事例/保険法第24条 |
| 入庫先との売買契約後に全損で引き揚げ、違約金を請求された事例 | JPUC相談事例 |
| 車の売却はクーリング・オフ(特定商取引法)の対象外 | 国民生活センター「増加する中古自動車の売却トラブル」/消費者庁 |
| 中断証明書の発行期間・適用期間 | 東京海上日動「中断制度とは何ですか?」 |
| 中断証明書の等級の条件、解約日と車を手放す日の関係 | 東京海上ダイレクト「自動車保険の中断証明書とは?」 |
| ETCの再セットアップ | ETCシステム利用規程 |
| タウの査定手数料・キャンセル・書類・査定の範囲・残置物 | 株式会社タウ「ご利用規約」(2024年11月26日改訂) |
| タウの出張査定・立ち会い・修理工場での査定・引き取り日・年式・販売ルート | 株式会社タウ「よくある質問」 |
| タウの減額・振込時期・ローン組替サービス | 株式会社タウ公式サイト |
| カーネクストの契約解除の手数料 | 株式会社カーネクスト「利用規約」 |
| ハイシャルの還付金の扱い、軽自動車税 | ハイシャル「廃車時に受け取れる還付金」 |
手数料や税金の扱いは変わることがあります。この記事は定期的に見直していますが、手続きの前に、窓口や保険会社、契約書で必ず確認してください。
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