4代目DJ型マツダ・デミオ(DJ5FS)のスス問題|煤除去・インジェクター交換の費用と、直すか売るかの判断基準

排気系にたまる煤と確認箇所を示す一般概念図

※本記事には広告(PR)を含みます。

2014〜2016年式のデミオ ディーゼル(DJ5FS)が、10万km前後でこんな状態になっていないでしょうか。

  • エンジン警告灯が点いた、グローランプが点滅した
  • 加速が鈍い、アイドリングで振動が大きい
  • DPFの再生が以前より明らかに頻繁になった

原因の多くは、SKYACTIV-D 1.5に付きもののスス(煤)です。

そして修理代は、ディーラーの吸気系洗浄だけで7〜9万円、インジェクター交換まで進むと20万円を超える報告もあります。

一方で、2014〜2016年式のデミオ ディーゼルの買取額は、10万km前後で10万円台前半が中心です(後述)。
修理代が車の値段を上回りやすい。ここがデミオ ディーゼルの一番悩ましいところです。

先に結論です。症状が出たら、次の順番で進めてください。

  1. 車台番号でリコール(届出番号4172)の対象か確認する。症状が出ていれば、インジェクターなどが無償交換になる可能性があります
  2. ディーラーか専門店で見積を取る。リコールで直らない部分がいくらかかるかを確定させる
  3. 同時に査定額を知っておく。見積と査定額を並べて、直すか売るかを決める

この記事では、症状・費用・リコールの中身・11年目の増税・売却相場まで、この判断に必要な数字をまとめます。金額はマツダの公表資料、ディーラーの公開料金、オーナーの整備記録から拾い、出典はそのつど書いています。

目次

症状早見表:その症状、原因は何?費用は?リコールで直る?

複数の警告灯が点灯した時の安全確認と診断を示す一般概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

まずは今出ている症状から当たりを付けてください。

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症状考えられる原因費用の目安リコール4172で無償の可能性
エンジン警告灯が点灯/グローランプが点滅インジェクター・排気バルブまわりのスス堆積インジェクター部品代だけで4本約16.7万円(純正)、総額約21万円の報告例あり(公式に「警告灯点灯・グロー点滅時は点検入庫」と案内)
加速が鈍い・息つき吸気系(インマニ・吸気ポート・EGR)のスス堆積ディーラー洗浄 77,000〜88,000円(税込)症状と点検結果次第
アイドリングの振動・ガラガラ音インジェクターの噴霧不良、排気バルブの動き不良同上〜インジェクター交換あり(不具合内容に「車体振動」と明記)
DPF再生が頻繁(100km前後ごと等)スス発生量の増加、短距離走行洗浄〜インジェクター交換煤清掃は措置に含まれる
DPF本体の詰まり・交換長期のスス・灰の蓄積民間洗浄6万〜12万円/ディーラー新品交換は30万円近くの見積例基本はなし
オイル量が増えるDPF再生時の燃料混入(オイル希釈)オイル交換代(ゲージの×を超えたら即交換)なし

警告灯・グロー点滅・振動が出ているなら、修理見積より先にリコールの確認です。理由は後の【最重要】の章で説明します。

こんな症状はスス蓄積のサイン

公式情報、整備記録、診断結果を照合する概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

加速が鈍い・アイドリング不調・エンジン警告灯

デミオ ディーゼルのスス問題は、2か所で起きます。

  1. 吸気側:インテークマニホールド(インマニ)、吸気ポート、EGRバルブにススがこびりつき、空気の通り道が狭くなる。加速の鈍さや燃費悪化として出やすい
  2. 燃焼室まわり:インジェクター(燃料噴射装置)の噴孔や排気バルブにススが堆積する。燃料の霧化が悪くなり、バルブが動きにくくなる

2の状態について、マツダはリコールの届出で次のように説明しています。

低速で加減速する走行を繰り返すとススの量が増えてインジェクターの噴孔部に堆積し、排気バルブが動きにくくなって、加速不良や車体振動、エンジン警告灯の点灯またはグローランプの点滅、最悪の場合はエンジン停止のおそれがある

(出典:マツダ公式 リコール届出番号4172)

つまり「警告灯」「グロー点滅」「振動」の組み合わせは、メーカー自身が認めている症状そのものです。

DPF再生が頻繁になる/オイル量が増える

DPF(黒煙除去フィルター)は、たまったススを燃やして再生します。スス発生量が増えると、この再生の間隔が短くなります。

公開されているオーナー記録では、次のような変化が報告されています。

  • 再生間隔が平均220km前後から、80km程度まで短くなった例(2014年式・約4.9万km。ディーラーでインジェクター4本を交換)
  • 140〜170kmごとだった再生が60〜80kmごとになり、インジェクター交換後に約235kmへ戻った例(約5〜6万km)

再生の頻度が上がると、もう一つ困ることが起きます。

オイル量の増加です。DPF再生中は燃料を多めに噴くため、その一部がエンジンオイルに混ざり、オイルが薄まって量が増えます(オイル希釈)。

「デミオ ディーゼル オイル量」で月140回ほど検索されているのは、この現象に気づいた人が多いからでしょう。

これはマツダも想定している現象で、取扱説明書には「DPFに堆積したPMが自動で除去されるとき、エンジンオイルに燃料が混ざり、油量が増えることがありますが異常ではありません」と書かれています。

ただし、限度があります。SKYACTIV-Dのオイルレベルゲージには、上限よりさらに上に「×」マークがあり、取扱説明書は「エンジンオイルがレベルゲージの×の位置を超えている場合はオイル交換をしてください」と指示しています。

走行距離が交換時期に届いていなくても、×を超えたらその時点で交換です。

点検のコツも説明書に書かれています。

ゲージはひねらずまっすぐ抜き、×マークを車両前方に向けてまっすぐ差し込むこと。向きで読みが変わるためです。

交換の目安そのものも、ガソリン車より短く設定されています。

コンディションエンジンオイル・フィルター
標準10,000km または1年ごと
シビアコンディション(短距離の繰り返し、渋滞や低速が多いなど)5,000km または6か月ごと

オイル量は、フィルターも替える場合で5.1L。

指定は純正ディーゼルオイルエクストラSKYACTIV-D(0W-20/0W-30)か、同DL-1(JASO DL-1・5W-30)です。説明書には「表に記載されていないエンジンオイルを使用すると、DPFの劣化が早くなります」とあります。

安いディーゼル用オイルで済ませると、DPFの寿命を削るということです。交換後はオイルデータリセット(記憶値の初期化)も必要です。

その他の報告例

スス以外では、オーナーの公開記録に次のような報告があります(いずれも個別の報告例で、発生率は不明)。

  • インテークマニホールドからのオイル滲み(樹脂製のマニホールドの劣化)
  • ドアミラーの作動不良(浸水によるもの。ASSY交換)
  • シフトがPレンジから動かない

修理・メンテナンス費用はいくらかかるか

基本料金、部品、追加整備の内訳を示す概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

2026年9月時点で確認できた数字をまとめます。

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作業金額出典・性質
ディーラーの煤洗浄(1.5D)88,000円(税込)+再利用不可の部品代北関東マツダ 公開料金
ディーラーのカーボンクリーニング(1.5D)77,000円(税込)※オイル・エレメント別東北マツダ 公開料金
民間専門店の煤洗浄(1.5D)80,000円(税込)の例民間専門店 公開料金
インジェクター(純正・対策品)部品代1本41,778円(税込)→4本で約16.7万円部品通販 公開価格
インジェクター(DENSOリビルト)部品代1本23,100円(税込)→4本で92,400円 ※コア返却必須部品販売店 公開価格
インジェクター4本・バルブスプリング交換(総額)請求211,447円(うちインジェクター約18万円)オーナー公開記録1件(2023年12月)
DPF 民間洗浄(工賃込み)60,280円〜121,000円(税込)整備工場の作業実績(2023〜2024年)
DPF ディーラー新品交換「30万近く」の見積例(デミオ)整備工場の公開事例(2021年)

ディーラーの煤除去(吸気系洗浄)

一番の基準になるのが、マツダ販売会社の煤洗浄メニューです。

北関東マツダ(88,000円・税込)の作業内容は、インテークマニホールド交換、吸気ポート清掃、インタークーラー洗浄、EGRバルブ清掃、DPF再生、燃料噴射量学習、診断機による点検。1.5Dのインマニは樹脂製のため、新品交換になると明記されています。分解後の点検で再利用できない部品が見つかった場合は別途費用です。

東北マツダ(77,000円・税込)は、インマニの新品交換、吸気ポートのブラスター洗浄、吸気シャッターバルブ・センサー類の洗浄、噴射量学習、DPFの手動再生が基本作業。ガスケット類の消耗品を含み、エンジンオイルとエレメントは別途です。

販売会社によって料金も含まれる範囲も違います。
見積では「インマニ代が含まれているか」「追加部品の可能性」を必ず確認してください。

民間のドライアイス洗浄・薬剤洗浄

民間の専門店も、マツダディーゼルの煤洗浄をメニュー化しています。

確認できた例では、1.5Dでインマニ新品交換・ウォルナットブラスト・インタークーラー超音波洗浄・インジェクター学習込みで80,000円(税込)。

ディーラーと大きな差はありません。「民間なら半額」とはいかないのが現実です。

店を選ぶ基準は、値段よりインマニを新品にするか、噴射量学習まで行うかです。

インジェクター交換(1本/4本)

ここが一番高くつきます。

オーナーが公開している2023年12月の記録では、グローランプの点滅でディーラーに入庫し、バルブスプリングとインジェクターを交換。

請求額は211,447円、うちインジェクター交換が約18万円でした。ただしこのケースはリコール扱いとなり、支払いは34,408円まで下がっています。

部品代の水準は、公開価格から確認できます。

  • 純正新品(対策品 S560-13-H50A):1本41,778円(税込・モノタロウ)。4本で約16.7万円
  • DENSOリビルト品(295700-0401):1本23,100円(税込・太田美品通商)。4本で92,400円。デミオ DJ5FS/CX-3 DK5用と明記され、保証は1年または2万km。取り外した古いインジェクター(コア)の返却が条件です

先ほどの請求例の「インジェクター約18万円」は、純正新品4本の部品代にほぼ一致します。

ここに工賃と噴射量学習(上の例では5,544円)、ガスケット類が加わります。1.5D用の4本交換の標準作業時間は、今回の調査では確認できませんでした。

まとめると、リコールの対象外になった場合、ディーラーで純正新品なら総額20万円前後を覚悟する必要があります。

民間工場でリビルト品を使えば部品代は半分近くまで下がりますが、交換後にインジェクターの補正コード登録と噴射量学習が必要なため、マツダ車の診断機を持つ工場を選ぶことが前提です。

1本だけの交換で済むかは点検結果次第です。

DPF関連

DPFの警告灯が点いたとき、ディーラーでは新品への交換を前提にした見積になりやすく、ここが一番高額になりやすい部分です。

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対応金額出典
ディーラーで新品交換(デミオ)「30万近く」の見積長野県の整備工場の公開事例(2021年12月)
ディーラーでDPF関連部品を一式交換(CX-3、約19.6万km)「60万円以上」の見積民間整備工場の公開事例(2023年)
民間で分解・切断洗浄して再使用(デミオ)「交換の半値くらい」が一式の目安同上・長野県の整備工場
DPF単体の分解洗浄(車からの脱着は別)63,800円(税込)DPFドットコム 公開料金
民間のDPFクリーニング一式(DJ5FS・2017年式)60,280円(税込・添加剤込み)整備工場の作業実績(2023年7月)
民間でDPF・EGR・吸気・燃料系をまとめて洗浄(デミオ)121,000円(税込)整備工場の作業実績(2024年9月)

部品だけの価格は、DJ5FS用DPFの純正参考価格が82,040円〜(税抜)、リビルト品が71,500円〜(税込・コア返却が条件)です(DPFドットコム掲載)。

ディーラーの見積が30万円近くになるのは、脱着にエンジンのメンバー(骨格部品)を外す必要があるなど、作業が大がかりなためです。

注意したいのは、北関東マツダ・東北マツダの7.7万〜8.8万円のメニューは、吸気系の煤洗浄で、DPFの交換ではないことです(DPFは再生作業のみ)。「ディーラーで8万円台でDPFが直る」と誤解している情報も見かけるので、見積では作業内容を必ず確認してください。

DPFを替える前に、上流の原因を確かめる

DPFの警告灯は、DPFそのものが壊れたという意味とは限りません。ススを出している側に原因があれば、DPFを新品にしても、洗浄しても、また詰まります。

点検で切り分けてもらうべきなのは次の3つです。

  1. インジェクター:噴霧が悪くなるとススが増え、DPF再生が頻繁になる。前述のCX-3(約16万km)は、DPF再生が30km以内になりDPF警告灯も点滅したが、原因はインジェクターと判断され、リコール4172で無償交換になっている
  2. 差圧センサーとその配管:DPFの前後の圧力差でススの量を判断しているため、センサーや配管が詰まったり劣化したりすると、実際には詰まっていなくても警告が出ることがある
  3. 吸気系のホース:ターボ周りのホースの亀裂や抜けで吸い込む空気の量が狂うと、ススが増える。上のCX-3のオーナーも、点検の際に社外のターボホースを純正に戻している

特に1は、リコールの対象ならDPFを触る前に無償で直る可能性がある部分です。

DPF警告灯が出たら、DPF交換の見積より先に、インジェクターが原因でないか(リコール4172の対象か)を確認してもらってください。

ここまでの金額を見て「売ったほうが早い」と思った人へ

煤洗浄で8万円前後、インジェクターまで進めば20万円前後。

私のおすすめは、修理を決める前に、今の車がいくらになるかを先に知っておくことです。順番としては、次の章のリコール確認(無償で直る可能性)を先に済ませ、それでも残る修理費と査定額を並べて決めるのが確実です。

10年落ち・10万km超のディーゼルは、一般的な買取店で値が付かなくても、廃車買取なら値段が付くことがあります。警告灯が点いたままでも、動かなくても査定は出せます。

なぜデミオのディーゼルはススがたまるのか

燃焼と排気系における煤の発生・確認箇所を示す概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

短距離・低速中心の使い方との相性

SKYACTIV-Dは、圧縮比を低く抑えてNOx(窒素酸化物)を減らし、高価な尿素SCRを使わずに排ガス規制をクリアしたエンジンです。その代わり、燃焼の条件によってススが出やすい面があります。

マツダ自身がリコールで挙げている条件は「低車速で加減速する走行の繰り返し」。つまり、

  • 片道数kmの通勤・買い物
  • 渋滞の多い街乗り
  • エンジンが温まりきる前に止める使い方

が続くと、スス発生量が増えます。デミオはコンパクトカーなので、まさにこの使い方をされやすい車です。(特に都内では)

車の出来というより、エンジンの性格と使われ方のミスマッチと考えると分かりやすいと思います。

逆に、高速道路や郊外路を一定速度で長く走る使い方なら、DPF再生も完了しやすく、スストラブルは起きにくい傾向です。

【最重要】リコール・保証で無償になるケース

車台番号で対象を確認し販売店へ相談する流れを示す概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

ここがこの記事で一番大事な章です。

症状が出たデミオ ディーゼルは、10年落ちでもリコールで無償修理になる可能性があります。

その前に:2016年のリコール(届出番号3885)

スス関連のリコールは、2018年の4172が最初ではありません。

2016年9月1日に届け出られたリコール3885で、マツダは「制御プログラムが不適切なため、気筒内の燃料濃度が部分的に濃くなり、燃焼時に多く煤が発生することがある」として、全車両の制御プログラム修正と、インジェクター・排気バルブ周辺のスス清掃を行っています。デミオ DJ5FSの対象は、平成26年8月5日〜平成28年8月3日製作の59,375台です。

つまり、2016年製作までの車は3885と4172の両方の対象になり得ます。中古で買った車は、どちらも実施済みか確認しておくと安心です。

2018年のリコール(届出番号4172)の中身

2018年2月1日、マツダはデミオ・CX-3・アクセラのディーゼル車、計約15.8万台のリコールを届け出ました。デミオ DJ5FSの対象は、平成26年8月5日〜平成29年10月30日製作の73,319台です(マツダ公式)。

このリコールには、不具合が2つ含まれています。

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不具合措置
①無負荷でアクセルを全開にしたとき、燃焼異常が起きてもエンジン保護機能が作動しない全車両、エンジン制御プログラムを修正し、エンジンとDPFのススを清掃
②低速で加減速を繰り返すとススが堆積し、加速不良・振動・警告灯点灯、最悪エンジン停止警告灯点灯・グロー点滅で点検入庫した車両の、排気バルブスプリングとインジェクターを無償交換し、ススを清掃

①は2018年以降の入庫で、ほとんどの車が実施済みのはずです。大事なのは②です。

②は、症状が出た時点で対応する方式です。

マツダの公式ページには「エンジン警告灯が点灯あるいはグローランプが点滅した場合は、速やかに点検入庫するよう促します」とあり、入庫した車にはバルブスプリングとインジェクターの無償交換、エンジンとDPFのスス清掃を行うとしています。公式ページに受付期限の記載はありません。

届出から6年以上たった後の実例も、オーナーの公開記録で確認できます。

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時期車走行距離症状結果
2023年12月デミオ(DJ)不明グローランプ点滅請求211,447円→リコール扱いで34,408円
2024年4月CX-3(同じ1.5D)約6.3万kmDPF再生が60〜80kmごと→グローランプ点滅インジェクター・バルブスプリングを無償交換
2024年5月CX-3(2017年式)約16万kmDPF再生が30km以内→グロー点灯・DPF警告灯点滅インジェクターを無償交換(4.8万km時に続き2回目)

CX-3はデミオと同じエンジンで、同じリコール4172の対象です。

特に3件目は、登録7年・16万km超、しかも一度リコールで交換済みの車でも、症状が再発して2回目の無償交換を受けています。届出から年数がたっていても、走行距離が多くても、症状が合えば対象になり得るということです。

対象外になりやすいケース

  • 製作期間(平成26年8月5日〜平成29年10月30日)の外の車
  • 警告灯・グロー点滅などの症状がなく、「予防的に替えたい」場合
  • 点検の結果、リコールの不具合とは別の原因(センサーや吸気ホースの不良など)と判断された場合

吸気系を社外品に替えている車は、その部品が原因かどうかも点検で切り分けられます。
上の16万kmの例でも、オーナーは社外のターボホースを純正に戻しています。

吸気系の煤洗浄(インマニ交換など)は、リコールの措置に含まれていません。
②で無償になるのはあくまでバルブスプリング・インジェクターの交換とスス清掃です。

車検証の車台番号でマツダ公式を検索する手順

  1. 車検証の「車台番号」欄を確認する(「DJ5FS-」で始まる番号)
  2. マツダ公式の「リコール等情報検索」(https://www2.mazda.co.jp/service/recall/vsearch)に車台番号を入力する
  3. 対象のリコール・サービスキャンペーンと、実施状況が表示される

注意点が一つあります。4172は①(全車の制御プログラム修正)と②(症状が出た車の部品交換)がセットの届出です。

検索結果が「実施済み」でも、症状が出た後の部品交換の対象から外れたとは限りません。

実際、一度交換を受けた車が2回目の無償交換を受けた例は上のとおりです。警告灯やグロー点滅が出ているなら、検索結果にかかわらず「リコール4172の対象か点検してほしい」とマツダ販売店に伝えて入庫するのが確実です。

メーカー保証は切れている

DJ5FSの販売期間(2014年秋〜2019年)から考えると、新車保証(一般保証3年、エンジンなどの特別保証5年または10万km)は、すべての車で終わっています。

いま使える無償修理の窓口は、実質このリコールだけです。

リコールで直る部分が直り、それでも残る修理(吸気系洗浄など)の見積が出たら、次は「その金額をかけて乗り続けるか」の判断です。判断の材料になる相場は、このあとの章にまとめています。

2014〜2015年式は「11年目の増税」も判断材料に

走行距離、整備歴、保証、今後の費用を示す概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

ガソリン車の自動車税は13年を超えると上がりますが、ディーゼル車は11年で上がります。重課の割合は約15%です(宮城県 自動車税のグリーン化)。

デミオ DJ5FSの排気量は1,498ccなので、税額は次のとおりです。

自動車税(年額)
通常34,500円
11年超の重課39,600円(+5,100円)

重課が始まる年度は、初度登録した年度の11年後の翌年度です。宮城県の例示では「平成26年度に初度登録したディーゼル車は、令和8年度から重課」とされています。つまり、

  • 2014年9月〜2015年3月に初度登録した車:2026年度(2026年5月の納税分)から、すでに重課
  • 2015年4月〜2016年3月に初度登録した車:2027年度(2027年5月の納税分)から重課

年5,100円の差は、修理代に比べれば小さい金額です。

ただ、「税金が上がる」「スス対策の出費が重なる」「次の車検が近い」の3つが同じ時期に来るなら、手放すタイミングを考える材料にはなります。なお、車検時の自動車重量税は、ガソリン車と同じく13年超で上がります。

いま売ったらいくらになるか(年式・走行距離別の相場感)

修理費、維持費、査定を同じ条件で比べる概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

中古車買取大手のガリバーが公開している査定実績(2026年8〜9月、デミオ XD系)から、年式・走行距離ごとの幅をまとめました。

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年式5〜8万km10万km前後12〜14万km
2014年式12.7万〜33.2万円10.4万円(9万km)9.0万円
2015年式14.7万〜18.0万円10.4万〜11.4万円9.0万円
2016年式20.0万〜27.2万円12.5万〜14.7万円9.0万〜11.4万円

※ガリバー「デミオ 買取相場」2014・2015・2016年式ページの査定実績(2026年9月17日更新)を、私のほうで走行距離帯に振り分けて集計しました(1万kmで5万円以下という例外的な1件は除外)。色・グレード・状態で大きく変わるため目安です。

ざっくり言えば、10万km前後なら10万〜15万円、12万kmを超えると10万円前後です。低走行でも警告灯が点いたままの状態では、ここから下がると考えてください。

直すか売るかの判断基準

修理、継続、手放す選択肢を示す概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

修理見積 > 査定額 なら売却寄り

数字を並べると、判断はシンプルです。

  • 10万km前後の2015年式:査定 約10万〜11万円
  • 吸気系の煤洗浄:77,000〜88,000円+部品
  • インジェクター交換まで必要(リコール対象外):純正で20万円前後(リビルトでも部品代だけで約9.2万円)

インジェクター交換が自費になるなら、車の値段の2倍近いお金をかけることになります。

しかも直したからといって査定額が同じだけ上がるわけではありません。このケースは売却寄りです。

これまで10年落ちの車を乗り継いできた中で守っているのは、「車の値段を超える修理代は入れない」という線です。

この線を一度こえると、次の修理も同じ理屈で払うことになり、たいてい止まりません。デミオ ディーゼルのスス問題は、まさにこの線に引っかかりやすい故障です。

同じ構図は、ホンダ i-DCD(7速DCT)の持病でも起きています。

あちらは9年保証、こちらはリコール。まず無償で直る枠を確認してから見積と査定を並べる、という順番は共通です。

リコール対策済み・低走行なら乗り続ける選択も

逆に、次の条件がそろうなら乗り続ける価値があります。

  • リコール4172の②で、インジェクター・バルブスプリングが無償交換になった
  • 走行距離がまだ少なく(〜8万km程度)、ほかに大きな不具合がない
  • 高速道路や郊外を走る機会があり、ススがたまりにくい使い方ができる

リコールで一番高い部品が無償になれば、残るのは煤洗浄の7〜9万円程度です。査定額が20万円台の低走行車なら、直して乗る判断も十分成り立ちます。

判断の順番は、リコール確認 → 見積 → 査定。修理の見積だけを見て決めず、必ず査定額と並べてください。

故障したままでも査定を取る意味

修理費、維持費、査定を同じ条件で比べる概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

「警告灯が点いたままでは値段が付かないのでは」と思って、とりあえず修理してしまう人がいます。これは順番が逆です。

  • 修理代は、査定額にそのまま上乗せされない
  • 買取店には、自社や提携工場で安く直してから販売するルートがある
  • 動かない車、車検切れの車でも、部品や資源としての値段が付く

10年落ち前後で10万kmを超えたディーゼル車は、一般的な買取店より廃車買取のほうが値段が付きやすいこともあります。

修理に20万円を出す前に、「このままの状態でいくらになるか」を確認しておいてください。査定を取ったからといって、売る義務はありません。

故障車・不動車の売り方は、状態別に次の記事で詳しく整理しています。

→ 警告灯・不動車・車検切れ…状態別19パターンの売り方

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動かせない車・値が付きにくい車は、処分費用を払う前に買取額を確認

自走できない車や車検切れの車も、廃車の費用を払う前に買取の条件を確かめてください。査定額だけでなく、引き取りと書類手続きの条件まで比べるのがポイントです。

次に当てはまる方が対象です

  • 自走できない・車検切れ・年式が古いなど、ふつうの買取店で値が付きにくい
  • 保険会社と車検証の所有者に、手放してよいことを確認した
  • 査定・引き取り・手続きの費用は無料と案内(一部離島を除く)
  • 金額を聞いたら「考えます」と伝え、比べてから返事をして大丈夫です

申込後、電話で査定額の案内があります。電話で売却の意思を伝えると契約(成約)となり、利用規約上、申込後に契約を解除すると一律30,000円の手数料がかかります。返事は比べ終わってからにしてください。引き取りの対象地域・車両の条件、入金の時期は申込先でご確認ください。

走れる故障車・古い車・走行距離が多い車の場合

動かない車・廃車を考えている車の場合

査定は無料です。返事は比べてからで大丈夫です。

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よくある質問

公式情報、整備記録、診断結果を照合する概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。

煤除去はどれくらいの頻度で必要?

メーカーが定めた交換・洗浄の周期はありません。

使い方次第で大きく変わります。短距離中心の使い方だと、10万km前後で吸気系洗浄を検討する時期が来る、というのがオーナーの報告から見える目安です。

DPF再生の間隔が以前より短くなってきたら、点検を受けるサインです。

自分で煤焼き(強制再生)はできる?

高速道路などで一定速度で走り、DPFの自動再生を最後まで完了させることは、自分でできる対策です。ただし、インジェクターや吸気系にこびりついたススは、走り方だけでは落ちません。警告灯が点いている場合は、走って直そうとせず点検を受けてください。

デミオ ディーゼルは何万kmまで乗れる?

エンジン本体が10万kmで寿命を迎えるわけではありません。ユーカーパックの公開実績には、17万kmを超えたXDに値段が付いた例もあります。

問題は距離より、ススがたまるたびに7万〜20万円の出費が発生し得ることです。「何万kmまで乗れるか」ではなく、「次の修理代をかける価値がある車か」で考えるのが現実的です。

オイル量が増えているけど大丈夫?

DPF再生時に燃料が混ざる現象で、取扱説明書も「異常ではありません」としています。

ただしレベルゲージの「×」マークを超えたら、走行距離に関係なくオイル交換が必要です。短距離中心の使い方なら、標準の10,000km/1年ではなくシビアコンディションの5,000km/6か月で交換してください。

オイルは純正指定(SKYACTIV-D 0W-20/0W-30、またはDL-1 5W-30)を。指定外のオイルはDPFの劣化を早めます。

MAZDA2(2019年以降)も同じ?

デミオは2019年にMAZDA2へ改名しています。リコール4172の対象は、デミオ DJ5FSでは平成29年10月30日製作分までです。

それ以降の車は、この記事の数字がそのまま当てはまらない場合があります。

まとめ:リコール確認→見積→査定の順番

保証、見積もり、査定、比較の順序を示す概念図
メーカー・車種を特定しないAI生成の概念図です。実車・実部品・実際の整備記録ではありません。
  • デミオ ディーゼル(DJ5FS)のスス問題は、警告灯・グロー点滅・振動・DPF再生の頻発で表に出る
  • 修理費は、ディーラーの煤洗浄で77,000〜88,000円、インジェクター交換まで進むと20万円前後の報告例
  • 2018年のリコール4172の②は、症状が出た車のインジェクター・バルブスプリングを無償交換。10年落ちでも対象になり得るので、最初に車台番号で確認し、販売店に点検を依頼する
  • 2014年度登録の車は、2026年度から自動車税が11年超の重課(34,500円→39,600円)
  • 10万km前後の買取額は10万〜15万円程度。自費でインジェクター交換が必要なら、修理代が車の値段を上回る

直すか売るかで迷ったら、リコールで何が無償になるかを確かめ、残りの見積と査定額を並べる。この順番を守れば、大きく損をすることはありません。

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動かせない車・値が付きにくい車は、処分費用を払う前に買取額を確認

自走できない車や車検切れの車も、廃車の費用を払う前に買取の条件を確かめてください。査定額だけでなく、引き取りと書類手続きの条件まで比べるのがポイントです。

次に当てはまる方が対象です

  • 自走できない・車検切れ・年式が古いなど、ふつうの買取店で値が付きにくい
  • 保険会社と車検証の所有者に、手放してよいことを確認した
  • 査定・引き取り・手続きの費用は無料と案内(一部離島を除く)
  • 金額を聞いたら「考えます」と伝え、比べてから返事をして大丈夫です

申込後、電話で査定額の案内があります。電話で売却の意思を伝えると契約(成約)となり、利用規約上、申込後に契約を解除すると一律30,000円の手数料がかかります。返事は比べ終わってからにしてください。引き取りの対象地域・車両の条件、入金の時期は申込先でご確認ください。

走れる故障車・古い車・走行距離が多い車の場合

動かない車・廃車を考えている車の場合

査定は無料です。返事は比べてからで大丈夫です。

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参考資料(2026年9月22日確認)

売買契約書にサインする前に、この8つを確認してください

口頭の説明だけで判断せず、契約書に書かれた条件と一致しているか確認してください。

  1. 金額を承諾しただけで費用が発生する条件はないか(電話で「お願いします」と答えただけで承諾・契約になる場合があります)
  2. キャンセルできる期限はいつまでか(「契約後」か「車両引渡し後」かで大きく違います)
  3. キャンセル料・違約金はいくらか(金額が書かれていない場合は必ず質問を)
  4. 契約後に減額される条件は何か(「後日、修復歴が判明した場合」等の条項の有無)
  5. 入金はいつか(「引渡し後○営業日」の形で書面に残っているか)
  6. 申告した内容が書面に反映されているか(故障・警告灯・修復歴・水没・改造は口頭で伝えるだけにしない)
  7. 名義変更はいつ完了し、その報告はもらえるか(税金・違反通知のトラブル防止)
  8. ローン残債がある場合、精算方法と所有権解除の手順
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